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ゲーム基板を自己修理 3

ゲーム基板の自己修理ネタがまた溜まってきましたので、またまたここで紹介します。


■ タイトー べんべろべえを修理

主催者はタイトーの”べんべろべえ”をオークションで入手しました。この基板は過去に持って
いた事があって、もう一度プレイしたくなったのです。ただし出品されていた商品は起動しない
ジャンク品。出品説明によると、保管していた基板を久しぶりに起動したら画面が出なかった、
との事でした。もしかしたら少しのメンテで立ち上がるかも?と言う期待もありました。

べんべろべえ基板


届いた商品はハーネス付でしたが、先端のカードコネクタがJAMMAではなかったので、使用す
る為にはJAMMAに配線し直す必要があります。そこで付属ハーネスの使用はやめ、昔作った
一般的な旧タイトー用のハーネスで動作確認を行おうと思いましたが、映像出力などの部分が
異なっており、そのままでは使えませんでした。そこでやはり付属のハーネスをJAMMAに変更
する事にします。付属ハーネスのカードコネクタ部分に信号の名前が印刷されていたので、参考
にしながらJAMMAに載せ換えます。JAMMAカードコネクタはセイミツ製を使用しましたが、この
コネクタには逆挿入防止キーの切欠きが無いので、まずこの部分を加工してから配線します。

付属ハーネスをJAMMAに変更


電源と音声、映像の配線が終わったところで、動作確認をしてみます。結果は・・・OH!バグッ
た画面が出るだけ。やっぱダメか~と思い、基板をまじまじと見ますが、特に怪しい部分は見
あたりません。

起動せず


ここで付属のハーネスを再度良く確認してみます。すると・・・。今まで5Vと思っていた配線の
一本がなんと-5Vだったと言う怒涛の事実が!アカン!!線材の色が同じなのですっかり信用
していた。-5Vに+5Vを突っ込むと間違いなく壊れます。下の写真で黄色い線の横の赤い線。

付属ハーネス電源部


いくら不動品扱いでも、それ以上に自分で壊してどうする、と言う感じです。ただ、-5Vの行き先
がROMならばアウトだが、音声アンプならまだ助かる可能性があります。そこで-5Vの行き先を
基板のパターンを追って確認します。コネクタから出た配線は、まず音声アンプ手前の電解コン
デンサとセラミックコンデンサに入り・・・そこからはどこにも繋がらずに終わり・・・。ってオイ!

-5Vは未使用だった


なんか知らんが助かった。ワケ分からん構造である。助かったとはいえ、いまだ動かないのは
事実。そこでこれに懲りて、今度は線をたどりながら全て確認します。すると上基板の電源用
12ピンコネクタ(MOLEX)に+13Vの接続はありますが+12Vの接続がありません。この+12Vは
音声アンプのすぐ前ですから、音声アンプ用の可能性が高いと思われます。だとすると関係
無いかも知れませんが、念のため仮で接続、起動してみます。

仮で+12Vを接続


するとアッサリ立ち上がりました。一部のROMが+12Vを使用していたのか。となると、前の
オーナー(出品者)はどうやってゲームをプレイしていたのだろう。付属のハーネスには、
この部分の配線は元々無かった訳ですし。とにかく直って良かったとその時は思いました。

起動したが・・


それから数ヶ月して15分ぐらい動作させておいたところ、画面を見るとゲームが止ってい
ます。またチェックです。先の+12Vの部分から調べてみます。このゲームでは立ち上がり
が悪い時は自動でリセットを繰り返す様です。しかも今回ずっと変化が無いのではなく、
何かの弾みで起動したり、しかかったりします。まずは基板を開いて下基板の+12Vのパ
ターンを追います。上基板では-5Vは未使用ですし+12Vの接続もされて無かったのですが
下基板では両方共接続されています。タイトーの昔の基板は各基板に接続コネクタが付い
ているのです。これもゲーム基板により接続しなくても動作する場合があったりするので
配線が必要かどうかはゲーム基板ごとに試してみるしか無いと思います。さて、パータンを
追った結果ですが沢山のS-RAMに繋がっています。どっかで見た風景でイヤ~な感じ。
どっかで見た風景とはグラディウスの下基板です。あの時は参った。しかもこちらの方が
だいぶ数が多い。下の写真で上の方に8×4列で実装されているやつです。

+12Vを追うとS-RAMに


次に上の基板からの+12VがS-RAMに繋がっているか調べたのですが、見たところ繋がっ
て無いっぽい。ちなみに上基板のMOLEXコネクタの入力は、+13Vが音声アンプ用でした。
動作中に+13Vを切断すると音声だけが消えました。ならば+12Vは?当初は+12Vが音声
アンプで+13Vはコインカウンター用だと思っていたのです。で、+12Vの行き先を調べると、
ツェナーダイオードに行ってるだけ。ここで異変が。S-RAMに行っているフラットケーブル
の辺りを揺するとゲームが起動、コネクタを半挿しにすると画面が安定しました。

ケーブル半挿しで起動した


う~む、主催者の経験ではROMの押し込みでトラブル解消はありますが、フラットケーブル
の不良は一度もありません。フラットケーブルの不良だ!と思った事は何度もあるのです
が、結果は全部違いました。しかし念のため小型の万力でフラットケーブルコネクタを圧接し
直して、更に接点スプレーもかけて様子を見ます。結果は15分ぐらいは確かに直っていた。

要はやはりフラットケーブルでは無かったと言う事です。この基板の端を見ると、横にLEDが
4つ付いています。単なる通電表示だろ、と思いあまり気にして無かったのですが、良く見る
とリセットが掛かった時のみ点灯、正常時は消灯している事に気付ました。

リセット用LED


このLEDはまさに先ほどの+12V→ツェナーダイオードと来ている部分にあります。ただし、
LEDとツェナーは部品配置は並んでいるが、実際の回路はジカには繋がっていない。電圧
検知がツェナー、回路の信号断等を検知してリセットがかかった時の表示がLEDな訳です。
それで+12Vからのツェナーダイオードを調べたのですが、どうも異常は無さそう。どちらか
と言うと、+5Vの方のツェナーを触ると起動します。下の写真で抜いてある部品がそうです。

ツェナー回路が怪しいのか


ツェナーを触ると確かに起動する。しかし直ってはいない。この回路の正常時と不動時の
信号を比べても、同じ信号が出ている。発想を変えて、ツェナー側からでは無くLED側から
も当たったのだが7417の後74LS273と来て、そこから先は追うのも大変。動作は相変わら
ず30分ぐらい起動しないと思ったら次の30分ぐらいは起動しているので余計にワカラン。

そこで原点に帰ってよく考えます。(最初+12Vは配線されて無かったが、恐らく動いていたと
思われる。その結果回路に負担が掛かって起動しなくなった。そこで本来の+12Vを接続し
たら動く様になった。しかし本来の接続がされて無い時間にその部分が消耗して起動が不
安定になった)この様に仮説を立てて見ました。それで考えると、ツェナーの次に入ってい
るトランジスタに目が行きます。信号では異常は見られなかった部分です。この部分は実は
+5Vのトランジスタだけは先に交換したのですが変化が無かったのです。そこで今度は+12V
とそれらの信号ミックス用の合計4つを交換します。ついでにリセット用の電解コンデンサ
も交換します。

下の写真は先に1個だけ交換した時の物。この部分はパターンが広く半田も盛り上がって
いる為交換が面倒なのでまとめて一気に行います。この方が基板に対する負担が少ない。

トランジスタ交換


交換の結果見事に直りました。数時間起動させておいても止りません。それどころか、今ま
で起動に2秒ぐらい掛かっていたのが、即立ち上がる様になりました。電圧検知してリセット
をかける回路が異常と判断、リセットをかけていた為と思われます。この基板はジャンク品
でしたが大変キレイな基板です。今から思うとジャンク内容も出品時の説明通りで、その結
果直りました。何よりヘンにICの交換がされて無かったのが逆に良かったのだと思います。



■ サンリツ ルージュアンを修理

次はサンリツ ルージュアンと言うゲームです。これは過去にショップで購入、久々に起動
したら画面がバグっていた、と言うパターン。具体的な不具合内容は、背景の星の流れが
ヘンだったり、敵の攻撃音が鳴らなかったり。

ルージュアン基板


この基板の構造は実際もの凄いです。どの辺が凄いかと申しますと、ジャンパー線の多さ
と、その接続法!普通はジャンパー線と言うと、基板のパターンとパターンの間を多くて
数本飛ばす程度。しかしルージュアンはチガウ!なんか知らんがいっぱい走っています。
しかもICソケットにICの足をわざと数本はめずに挿し、そこからもジャンパーを飛ばして
います。それと基板は3枚構成なのですが、基板の上下間もジャンパーが飛んでいます。

ジャンパー線だらけ


これだけジャンパーが多いと、その分トラブルの元です。パターン間のジャンパーは仕方
無いとしても、ICソケットからはみ出たジャンパーは足を修正して別のICソケットに正しく
セット、そこから新たにジャンパーを飛ばした方が将来的にいいのでは?と思ったりもし
たのですが、ヤメときました。理由はICの足が固くなってきており、ヘタにいじるとポロッ
と折れそうな感じがしたのと、ICがICソケットにきつくはまっていて簡単には抜けそうに
無かったためです。そして今回のトラブルもその部分の足折れ修理と、基板とROMの押
し込みでした。ICの根元近くから折れていますから、最初から上手く角度を付けて接続
します。接続面積が小さいのでまた折れるかも知れませんが、その時は丸ごとソケット化
して対応すればいいでしょう。しかしこのゲームは入手して随分経ちますが、トラブルは
ROMの押し込みは数回ありましたが、それ以外ではこの一回だけなので、見た目の割
には安定していると言えるのかも。

断線ジャンパー接続


■


さて、ここでルージュアンについて簡単に説明します。サンリツの1982年のゲームです。
この頃のゲーム基板全般に言える事ですが、当時のパソコンより随分贅沢な構造になって
います。パソコンなら販売利益を出す為、そこそこのパーツ搭載で収めるのでしょうが、当
時の業務用ゲーム基板は開発者の夢実現が第一。その為パーツをかなり贅沢に使ってい
ます。ルージュアンも、開発者がこんなのを実現したいなぁ・・・。と思いつき、それをメモリ
パワーで強引に実現させた感じがします。また、珍しい?機能として-5V電源が無い筐体
用に、基板上に-5Vパワーサプライも装備しています。ただしこれを使うには別途トランス
が必要。これはジャンパーで外部供給(つまり不使用)にセットできます。

パーツ構成


ルージュアンはシューティングゲームです。自機はスペースシャトル。スペースシャトルが
戦闘機として実用可能なのかはさておき、妙にリアルな感じはします。オープニングデモで
地上から打ち上げるシーンがあるのですが、ちゃんとブースターを切り離します。

タイトル画面


1面では宇宙空間の背景の星が上と下に分かれて流れています。通常なら上から下への
スクロールですが、上部1/5は上へ、残り4/5は下へ流れるのです。これは3D的な表現を
狙った物の様です。敵エイリアンは螺旋状などの動きで攻撃してきます。その時のグラフ
ィックも遠くと近くでは異なる物が用意されています。下の写真左は一つのキャラクタの編
隊ですが、4~5種のグラフィックが用意されている様です。写真右は低速度撮影で敵の
軌跡を映した物。遠くと近くではサイズが異なるのが分かります。

あくまで遠近感に拘る


2面は敵要塞上空。一般的な縦スクロール。敵は要塞からギザギザに発進してきます。
表示位置により、敵のサイズが変わりますが、なんと自機のサイズも拡大縮小します。
下の写真左から自機のサイズが小、中、大と変化していますが、実際には5種のサイズに
変わります。効果ですが、もしかしたら小さい方が当たり判定が小さいかも?と言う程度。

最後に内部に突入する演出がある


3面は敵要塞内部に潜入。スプライトによる3D面。しかも高速スクロール。直線とカーブが
あり。壁や床に自機が接触すると火花が散りますが、すぐには爆発しない良心的設定。

通路の奥にルージュアンがいる


4面では敵首領であるルージュアンとの一騎打ち。ルージュアンはただのクチビル。負ける
と笑われてしまいます。まさか笑わせる為にクチビル型にしたとか?恐るべしサンリツ。

最初にキッスマーク?を飛ばしてくるぞ


4面をクリアすると1面からのループ。このゲームはコンティニュー可能なのですが、コンテ
ィニューすると敵の攻撃パターンは同じ物が現れます。コンティニューではなく、面を進め
てループで出てきた面では、敵の攻撃パターンが異なります。主催者は3周ほどしましたが
全部異なっていました。やるなサンリツ。



■ セガ アフターバーナーⅡを修理

今度はセガ アフターバーナーⅡを修理します。これもオークションで動作未確認、ジャンク
品として入手したものです。出品者自身は動作未確認との事ですが、出品者の前の所有者
の元では(説明では筐体から取り外すまでは)動いていた、との事でした。

アフターバーナー基板


早速通電します。アフターバーナー等の基板(セガXボード)用の鉄箱(ケージ)を持ってい
ますのでまずはそれに基板を入れ、ケージから出ているコネクターを電源などに繋ぎます。

専用ケージにセット


通電すると、とりあえず画面は出ました。しかしタイトル画面の”Ⅱ”のグラフィック(ボールで
構成されたやつ)が若干チカチカしています。あと音が変です。でたらめな音がずっと鳴り響
いています。そこでまずはテスト画面に入り、そこからチェックをする事にします。早速テスト
モードに入りますが・・・。テスト項目が選択できません。改めて配線をチェックしたり、DIPス
イッチを確認しますが変化無しです。そこでもう一度ゲーム画面に戻り、ゲームをプレイして
見ます。結果はクレジットは入り、スタートボタンも利きます。しかし自機が操作できません。

う~むアナログ入力が利かない様です。そこで基板のアナログ入力部をチェックします。
アナログスティックからの入力はまず4051と言うICに入り、そこから2053と言うICに入って
います。4051はアナログスイッチ(と言うIC)で、2053はA-Dコンバーターです。しかもこの
部分だけ後から誰かがICソケット化しています。メッチャ怪しい・・・。

修理トライの痕?

とりあえず4051の入力部分にテスターを繋いでアナログスティックからの電圧変化が来ている
か確認します。結果はOK。では次に4051から出力されているかですが、全くされていません。
これでは動かない訳だ。試しにテストモードに入り4051の入力と出力をショートさせてアナログ
スティックを動かしたところ見事に反応しました。先ほどは選択出来なかったテスト項目も選べ
ます。そこでインプットテストに入ったのが下の写真。ショートさせているので全てのアナログ数
値が同じになっています。これで後段の2053は良品確定でしょう。そこで次に4051の出力を切替
えている入力部の電圧を測ったところ動作していません。切り替えているのはCXD1095です。

3つの入力を切替えている


そこでこれを交換します。ゲーム基板を自己修理 1の麻雀セーラーウォーズでやったのと同じ
ですね。写真ではICの全部の足をコテコテに引っ付けてから綺麗に修正していますが、これは
全部の足を確実に接続する為です。一本でも半田不完全があるとダメなのです。

QFP型IC交換


交換の結果見事に改善。テストモードのアナログ数値もOK。ゲームで自機の操作も可能にな
りました。デモ画面の”Ⅱ”の文字がチラチラするのも良く分かりませんが直ってしまいました。

入力がOKになった


しかし!音不良はいまだ解決せず。実の所、CXD1095を交換するまでは電源の入れなおしで
音は正常になる事を発見したのですが、今ではそれもダメです。しょうがないのでオシロで調
べてみます。下の写真は音声用Z80のINT信号です。正常時は左で異常時は右。右の状態の
時はZ80は働かず寝ている状態と言えます。と言う事は音異常は寝言か。

Z80の起動が悪い


テスターで電圧を測ってもこの通り。信号線の行き先はYM2151とプルアップ抵抗だけ(と思う)
ちなみにこの部分に一瞬でもHI信号を与えるとZ80は飛び起き、正常になります。

2151からの信号不良か


ここら辺が手探りで修理をする者の不利な所で、修理データがあるわけでも無いし、回路図も
ありませんから試行錯誤になります。この試行錯誤と言うのがダメで、やればやるほど基板を
痛めます。例えば信号線をたどるのもパターンが部品の下を走っていますから、部品を外して
行き先を確認するとかあります。要は素人がいじって余計に壊すのです。
※試行錯誤するくらいならプロに出せ!です。←自省

それでプロに出す事も考えたのですが、何か異常無しで帰ってきそうな予感がうっすらします。
そこで思いつきました。以前どうにも起動性が悪い基板があって、思い切ってZ80を取り替え
たら改善しました。しかし結局その時はスイッチング電源の劣化だったのですが。それで今回
も一応Z80を交換して見ます。

Z80交換


すると劇的に解決。根本的な解決かどうかは分からないのですが、とにかく良くなった。下の
写真で左側が良くなったやつで中が今一なやつ。まあ、良いやつでもZ80の起動性が悪い時
はあるのですが、スイッチング電源をONしてから基板と電源を接続すると100%正常起動す
る。要は最初から安定した5Vを供給すればいいのです。鉄のケージの電源入力はNAOMIで
おなじみのVLコネクタにしてあるので、スイッチング電源ONをしてからこちらを挿せばいいの
です(下の写真右)。まあ、どこかが悪さをして一部の立ち上がりを悪くしているとか、リセット
回路の不調とかもあるかも知れませんが、素人があまり弄るのは良くないのでやめときます。

Z80を選別


※その後暫く日数が経ってから基板を立ち上げると、またまた立ち上がりが非常に不安定に
なっていました。なんじゃ直ったのは一時の事だったのか?と思ったのですが、電源をパソ
コン用ATX電源改造品からサンワ電子の物に変え、出力電圧を最大にしたところ何の問題も
無く立ち上がりました。今回はボタンスイッチのON/OFFをするだけで画面のバグりが変化し
たのです。ボタンスイッチの電圧降下分だけで動作がヘンになるなんて不安定すぎます。
使用しているATX電源は5Vの電圧調整が出来ないタイプだったのですが、出力電流は十分
多いし、同じセガXボードのゲーム基板サンダーブレードが何の問題も無く立ち上がっていた
ので試さなかったのです。いやはや結局以前あった別のゲーム基板の不調と同じで、電源が
原因だったのか。


さて、アフターバーナーⅡの基板には2種類あります。具体的にはROMの一部がEP-ROMで
32ピンのタイプと、同じ部分がマスクROMで28ピンのタイプです。

同じゲームでも2種ある


これらのROMは完全互換では無い様です。証拠に刺さっているマザーの一部に違いがありま
す。例えば下の写真の矢印で示した部分。片や0Ω抵抗(要はジャンパー線)片やIC。ジャン
パーの基板の方が起動性がいい様です。もしかしたらこのIC(74F373)の回路が影響してる
のかな。何か初代ファミコンみたいだ。初代ファミコンは一部のハックROM?か何かを動かす
時は373を変えると良くなるらしいと聞いた事があります。主催者はソフト改造系は興味が無
いのでまるで分かりませんが。

基板の構成が異なる


あと今回入手した基板の裏を見ると、電源コネクタの部分にリード線の残骸が。こりゃどう考え
ても筐体から取り外しただけではありません。人の手が入っています。不具合が該当する部分
のICもソケット化されていますしね。まあゲーム基板の売り買いを行っている人の動作未確認
出品だったのでこんなもん。これ普通です。未確認と言う事は動作する可能性もある、と期待
を込めて高額をぶっこむのはやめましょう。←自省

動作未確認品=不具合品



■ セガ パワードリフト映像不良の対策

主催者の場合、ゲームを短時間プレイしてすぐに次のゲームに移る事が多いです。これは
ゲームセンターでも家庭でも同じでして、一つのゲームのプレイ時間としては、くにおくんを
一周するぐらいが丁度いい感じです。しかし時折一つのゲームにはまり、ずっとプレイして
いると何か予期せぬ不具合が見つかる場合があります。今回のパワードリフトがそれでし
て、画面にヘンな点々が出ていました。なんじゃコリャッ!と言う訳でコネクタの抜き差しと
かROMの押し込みをしてみます。しかし改善するどころか、だんだん酷くなってきます。

画面に点々が!


まさか電圧では(主催者は4.8Vぐらいで起動しています)と思い、電圧を5V以上にしてみま
したが、これも変化なし。まあ、その時は深追いはせず、ほっときました。

それからも割とプレイはするのですが、画面がバグってくるまでプレイする事も無かったので
あまり気にしていませんでした。しかしある日、起動中のパワードリフトのコネクタ(JAMMA
カードコネクタの電源部分)をうっかり触ったところ妙に熱い。これは明らかに電流容量の不
足。時間経過で画面がバグるのはこの可能性が高い。

パワードリフト等の大型筐体の基板はJAMMAで無い場合が多いので、ハーネス付の基板
を買うと、JAMMA化され基板のコネクタ端子部からハーネスが半田ジカ付けになっている
場合が多いです。と言うより、これが普通か?しかし主催者はやっぱ本来の形式であるコネ
クタで接続したいので、何とか使える物を探し出してコネクタ化します。下の写真がそれ。
これが電源用としては細かった。その上先端はJAMMAなので電流容量的には非常に悪い。

電源ハーネス。細い


この頃のセガの電源コネクタはレバーで取り外しが出来る10ピンタイプが使われています。
それも対ハーネス中継タイプです。これが入手できない。それで使える物を探したのですが、
出てきたのは細いフラットケーブルタイプだったと言うわけ。それで今回の結果に。下の写真
は本来の 電源ケーブルと今回使った物の比較。これでも15分程度なら問題無いんだな。

オリジナルとの比較


今回修理交換用に入手したのは、やはり基板取付けタイプ。何とかスマートに組み付けたい
所ですが、このタイプからジカに線を引き出すと、何かの弾みにピンコンタクトがすっぽ抜け
て危険です。やはりこれは基板に取付けて使うべきでしょう。かっこ悪いですが。なお、方向
キーやロック機構は正規品以外では合いませんから、そこは上手く削って入る様にします。
今回は上手い具合に?2つのコネクタを一つの基板に実装、2つまとめて基板に繋げる事が
出来ました。外れにくいのでGOODです。

電源コネクタ作り直し


更にJAMMAカードコネクタも廃止。電源はNAOMIでおなじみVLコネクタにします。映像は
Dサブ15ピン、音声はRCAプラグ、コントロール系はアナログパネル用Dサブ。コインと
テストもそれ専用にケーブルを出します。その結果、数時間動作させても画像がバグら無
くなりました。なお、今頃気づいたのですが長時間動作させると基板上のICが相当熱い。
あんなに熱くなるとは思っても見なかったイヤハヤ

電源ロスを最小限にする



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